福島町の歴史散策路
殿様街道は蝦夷地の幹線道路でした
中でも福島町から知内町に至る道路は街道の難所ともいわれていました
現在は一の渡地区を起点に4.5kmほどの登山道となっています
春と秋に福島町主催のガイドツアーも開催されますが
個人でも行くことは可能です
目印がやや分かりにくい
千軒地区から少し離れた一の渡地区にある登山道
大千軒岳登山口の途中にひっそりとあります
GoogleMAPの目印となるのは千軒墓地
殿様街道登山口自体は特に案内標識があるわけでもないため
千軒墓地を過ぎたあたりから左側の森を
よく見ておかないと素通りしてしまいそうなのでご注意を
地域の関係者によって維持
現在の殿様街道は地域に関係者によって維持され
ブナの森や国鉄松前線遺構跡などが見学できるように
周回できるルートとなっています
今回は砲台跡先回りルートで登ってみました
どちらのコースでも高低差は同じで
だいたい3時間ほどの行程です
春と秋にイベント開催
序盤は色づく森の中をひたすら登っていきます
イベント開催直後に登れば草刈りなどが行われたばかりの為
道がわかりやすく整備され歩きやすいです
それ以外の時期は草刈りが行われないため
分かりにくいところもあるかもしれません
夏よりも秋の紅葉シーズンに登る方が道中も綺麗でお勧めです
クマの出没エリア
殿様街道は熊の出没が多い大千軒岳の近く
熊の生息地域ということで登山道には熊の糞が沢山あります
熊が活発となる早朝や夕方は避け日中に行くことをお勧めします
熊が怖いという人は単独ではなく
福島町主催のツアーに参加するのが良いと思います
ちなみに参加費用は1人3000円だそうです
旧幕府軍を迎え撃った砲台跡
序盤の登りを終えると砲台跡と書かれた場所に到着します
ここは函館から松前へ進軍中の新選組土方歳三ら
旧幕府軍を迎え撃つために松前藩が大砲を2基備えた場所です
詳しい説明等は書かれていないため
このあたりの詳しいことを知りたい人は
学芸員のついてくるガイドツアーの参加が良いと思います
ちょっとしたコスプレもしていて分かりやすく説明してくれるようです
かつてゃ皇室の森
砲台跡を進むと出てくる御料林境界線の標識が
御料林とは皇室の森林で皇室の財産として管理していたところです
かつては長野、岐阜、静岡、山梨、神奈川などにあったようですが
戦後に国有林に移管され消滅したようです
そんなかつては皇室の持ち物だった山林の境界線がここのようです
広大なブナの森
しばらく歩くとブナの森へと入ります
ここから先茶屋峠まではブナの森の中を散策するようになります
北海道でブナ林というと黒松内町が有名ですが
殿様街道周辺もブナの木々に囲まれており
紅葉の時期には黄色く色づいた葉の中を歩けるため
綺麗な紅葉を楽しむことができます
松前線以降までは下り
ブナの森あたりから旧国鉄松前線遺構跡まではジグザグな下りです
全く山に登ったことがないような初心者がツアーに参加しても
大丈夫なのかなって思うようなところがいくつかありますが
ガイドツアーならばこの辺はフォローしてくれそうですね
大丈夫なのかなって思うようなところがいくつかありますが
ガイドツアーならばこの辺はフォローしてくれそうですね
ここまでずっと登りだったところを一気に降りていきます
山中に残る鉄道遺構
しばらくすると鉄橋が見えてきました
昭和63年に廃線となってしまった国鉄松前線の遺構です
知内町から福島町へは山中のトンネルを通っていたようで
残っているのは茶屋沢橋梁と深雪沢橋梁の2本
この二つの橋梁を渡るのが殿様街道の一番のメインスポット
トンネルは閉鎖
福島トンネルと茶屋トンネルの間にあったこの区間
どちらのトンネルもふさがれており中へ入ることはできません
序盤は鉄道のトンネルの上を通ってきたような感じですね
千軒の次は福島町の中心地だった渡島福島駅だったようですが
茶屋トンネルの向こう側がどこを走っていたのか気になりますね
この先もトンネルや橋梁が沢山あったようです
殿様街道一の撮影スポット
降りてきて目の前にある全長48mの茶屋沢橋梁
殿様街道一の撮影スポットでもある鉄橋
かつてはこの橋の上を鉄道が走っていたと
想像するのも楽しいところです
今は鉄道は走っていませんが登山道として利用され
上を歩いていくことができます
現在は登山道の一部
頑丈に作られた鉄橋なので
廃線からかなりの年月が経ちますが揺れることなく安心して歩けます
普通の歩く分には問題ありませんが
網目の橋なのではるか下の沢が見え隠れして緊張感が走りますね
鉄橋は二つある
茶屋沢橋梁を渡ると深雪沢橋梁
こちらも渡ることができますが
ここを渡るとメインルートから外れ
沢へと降りるルートがやや急な斜面となり
道もわかりにくいので要注意です
降りる道がやや不明瞭
沢へと降りると深雪沢橋梁が見上げられるスポットに到着
赤い橋と黄色く色づいた紅葉が綺麗なスポットです
鉄路が現役だったころにはこの登山道はなかったため
訪れることができなかった幻の撮影スポットですね
枯れた沢沿いを歩く
水の音はするけど途中で水がなくなる
岩場の多い沢沿いを歩きます
一本道なので迷うことはないですが
案内も何もないためやや不安になる道です
渡渉が何度かある
ここから茶屋跡までの間は福島川を何度か渡渉します
河岸にロープがあるためここは初心者でも
かなり優しい仕様となっています
このあたりは四十八瀬と呼ばれ伊能忠敬の測量日記にも登場する所です
蝦夷地上陸記念の地となった福島町吉岡には伊能忠敬の銅像があります
かつては茶屋があった
四十八瀬の近くにはかつて一軒家があり
茶屋として殿様街道を通行する人の休憩スポットとなり
北海道の名付け親である松浦武四郎もここで休息をしたようです
その際にスモモの木が植えてあったと書かれており
今も茶屋跡付近にはスモモの老木があり
当時からあったものではないかといわれています
茶屋跡から先は登り
茶屋跡からは茶屋峠を越えるために再び登り
これが最後の登りで茶屋峠から先は下り道
最後に向けてもうひと踏ん張り
樹齢200年のブナの巨木
途中にはブナの巨木があります
樹齢200年のブナなのでかなり大きく
このあたりのご神木として祭られています
幹回りは373cm、高さも24mと白神山地にあるそうな
立派なブナの巨木を拝むことができます
紅葉が綺麗な茶屋峠
ブナの巨木を過ぎるとまもなく茶屋峠
かつては多くの松前藩士が通過して至った峠ですが
今では通行する人はほんのわずか
ガイドツアー開催時以外はほとんど人が訪れることがなさそうですが
このあたりの紅葉が一番きれいに色づいていました
最後は杉並木を歩く
最後はゆっくり下りながら一の渡の登山口へ
道南らしい杉並木を過ぎてゆくと間もなくゴールです
ガイドツアーの場合この先千軒地区まで歩くため
距離が7kmほどになりますが
殿様街道だけの散策ならば4.5kmと程よい散策路です
紅葉や松前線遺構跡やブナの巨木と見どころが多いにもかかわらず
殆ど人が訪れないマニアックな歴史散策路でした
アクセス |
[殿様街道] 【住所】北海道松前郡福島町千軒 【アクセス】木古内駅から函館バス松前行きに乗車し、千軒で下車登山口まで1.8km徒歩25分 【登頂時間】2時間30分~3時間 【登山適期】5月~11月上旬 【難易度】★★☆☆☆(初心者向け) |
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